直流電源装置(充電アダプター)を製品に同梱して販売する場合、PSE取得済みの直流電源装置を調達する方法が最も効率的です。
しかし「PSE取得済み」というだけで安心してはいけません。型式区分の確認・有効期限の管理を怠ると、突然輸入できなくなるリスクがあります。
今回は、PSE取得済み直流電源装置の選び方・調達方法・有効期限管理の実務ポイントを解説します。
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1. なぜPSE取得済みを調達するのか
直流電源装置は特定電気用品(◈PSEマーク)のため、自社で試験・届出を行う場合は登録検査機関による適合性検査が必要です。
この手続きには費用・時間・工場との調整が必要であり、特に中国工場との直接対応が発生する場合は負担が大きくなります。
一方、PSE取得済みの直流電源装置を調達する方法であれば、試験・届出の手続きを省略できます。当社でも製品に付属する充電アダプターはPSE取得済みのものを調達しており、実務上この方法が最も効率的だと判断しています。
2. 調達方法は2パターン
パターン①:中国メーカー(製造工場)に依頼して探してもらう
製品の製造工場に「PSE取得済みの直流電源装置を供給してほしい」と依頼する方法です。
メリット:
- 製品仕様に合った充電アダプターを探してもらえる
- 既存の取引関係の中で調達が完結する
注意点:
- 工場が提案してくる製品のPSEが本当に有効かどうかを自社で確認する必要がある
- 型式区分が自社製品の用途に合っているか確認が必要
パターン②:自社で試験機関・商社経由で探す
試験機関や商社に「こういう仕様のPSE取得済み直流電源装置を探している」と相談する方法です。
メリット:
- PSEの有効性を専門家が確認した製品を入手しやすい
- 信頼性が高い
注意点:
- コストが上がる場合がある
- 希望仕様に合う製品が見つからないケースもある
3. 調達時に必ず確認すべき3つのポイント
確認①:型式区分が自社製品の用途に合っているか
PSE取得済みであっても、型式区分が自社製品の用途と一致していなければ使用できません。
特に重要なのは「用途」の確認です。
用途の確認ポイント
- バッテリーを充電する用途 → 「電池充電用のもの」であること
- 機器を直接駆動する用途 → 「その他のもの」であること
- 両方の用途に使用する → 両方が併記されていること
型式区分の詳細については以下の記事も参考にしてください。
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確認②:適合同等証明書の副本を紙で入手する
PSE取得済みの直流電源装置を使用する際、適合同等証明書の「副本」を入手する義務があります。
⚠️ 重要:副本はスキャンPDFではなく紙の原本が必要
適合同等証明書の副本は、試験機関から紙で発行されたものが必要です。
スキャンしたPDFや電子データは副本として認められません。これを知らずにPDFで保管しているケースが実務上非常に多いため、注意が必要です。
副本の入手方法
- 工場に「適合同等証明書の副本(紙)を試験機関から発行してもらうよう」依頼する
- 工場が試験機関に副本の発行を申請する
- 試験機関から紙の副本が発行される
- 工場経由または試験機関から直接、紙の副本を受け取る
副本の発行には数万円の費用がかかります。この費用を誰が負担するか(自社か工場か)を事前に確認・合意しておくことをおすすめします。
また、副本の入手には一定の時間がかかるため、調達スケジュールに余裕を持って依頼することが重要です。
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確認③:銘板の記載事項が正しいか
PSEマーク・届出事業者名・定格電圧・定格入力容量(VA表記)など、必要な記載事項が正しく表示されているか確認します。
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4. 有効期限管理が最重要:期限切れで輸入できなくなる
PSE取得済み直流電源装置の調達で、最も見落とされやすいのが有効期限の管理です。
適合同等証明書には有効期限があります。有効期限が切れた状態では、その直流電源装置を輸入・販売することができなくなります。
当社でも有効期限切れになりそうなケースを経験しており、早めに気づいて工場に更新を依頼することで事なきを得ました。
有効期限が切れるとどうなるか
- 該当の直流電源装置が同梱された製品が輸入できなくなる
- 販売中の製品に影響が出る可能性がある
- 代替品を急いで探す必要が生じる
- 製品の仕様変更・ラベル変更などが必要になる場合がある
有効期限管理の実務ポイント
⚠️ 有効期限管理のルール
- 有効期限の半年前には工場に更新依頼を開始する
- 更新できない場合は同じ仕様で代替品を探してもらう
- 適合同等証明書の有効期限を社内で一元管理する
- 複数の直流電源装置を使用している場合は一覧表を作成して管理する
更新できない場合の対応
工場が何らかの理由で更新できない場合(試験機関との契約終了・工場閉鎖など)は、同じ仕様(出力電圧・電流・型式区分)を満たす別のPSE取得済み直流電源装置を探す必要があります。
この場合も仕様・型式区分・証明書の有効性を必ず確認してから切り替えるようにしてください。
5. 有効期限管理の一覧表(管理例)
複数の直流電源装置を使用している場合、以下のような一覧表で管理することをおすすめします。
| 管理項目 | 記載内容 |
|---|---|
| 製品名・型番 | 直流電源装置の型番 |
| 証明書番号 | 適合同等証明書の番号 |
| 発行機関 | 登録検査機関名 |
| 有効期限 | 証明書の有効期限日 |
| 更新依頼予定日 | 有効期限の半年前の日付 |
| 更新状況 | 依頼済・更新完了・代替品検討中など |
| 同梱製品 | この直流電源装置を使用している製品名 |
この一覧表を定期的に(最低でも月1回)確認することで、有効期限切れを未然に防ぐことができます。
6. よくある質問
有効期限はどこで確認できる?
→ 適合同等証明書本文または表紙に記載されています。記載がない場合は発行した登録検査機関に確認してください。
有効期限が切れた直流電源装置はすぐに販売停止になる?
→ 原則として有効期限切れの証明書に基づく輸入・販売は行えません。在庫品の取り扱いについては経済産業局に確認することをおすすめします。
更新手続きはどのくらい時間がかかる?
→ 試験機関・製品によって異なりますが、数週間〜数ヶ月かかるケースがあります。半年前からの依頼開始が推奨される理由はここにあります。
同じ仕様の代替品に切り替える場合、届出変更は必要?
→ 型式区分が変わる場合は変更届出が必要です。同一型式区分内での切り替えであれば届出変更は不要な場合があります。経済産業局に確認することをおすすめします。
まとめ
- PSE取得済みの直流電源装置を調達する方法が最も効率的
- 調達方法は「工場に依頼」か「試験機関・商社経由」の2パターン
- 調達時は型式区分・適合同等証明書・銘板記載事項を必ず確認する
- 有効期限管理が最重要:期限切れで輸入できなくなる
- 有効期限の半年前には工場に更新依頼を開始する
- 更新できない場合は同じ仕様の代替品を探す
- 複数品を管理する場合は一覧表を作成して定期確認する
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