直流電源装置(充電アダプター・ACアダプター)のPSE銘板(ラベル)には、電気用品安全法で定められた記載事項を正しく表示する必要があります。
記載事項の漏れや単位のミスがあると、PSEマークを表示する要件を満たせず、販売できない状態になります。
今回は、直流電源装置の銘板に必要な記載事項と、実務上でよくあるミス・注意点を解説します。
💬 今すぐ相談したい方へ
直流電源装置の銘板・ラベル作成でお困りの場合はお気軽にご相談ください。
→ 初回無料相談はこちら
1. 直流電源装置の銘板に必要な記載事項
直流電源装置の銘板に表示すべき事項は、電気用品安全法技術基準別表第八附表第六に定められています。
必要な記載事項は以下の8項目です。
直流電源装置の銘板記載事項(附表第六より)
- 定格電圧
- 定格入力容量
- 定格周波数
- 定格出力電圧
- 定格2次電流
- 自動車スタータ用に使用するものにあっては、その旨
- おもちゃ用のものにあっては、その旨
- 二重絶縁構造のものにあっては、□の記号
6・7・8は該当する場合のみ表示が必要です。一般的な家電用充電アダプターであれば、①〜⑤の5項目が基本の記載事項となります。
また、表示方法については「表面の見やすい箇所に容易に消えない方法で表示すること」が要件です。印刷・刻印・シール貼付など方法は問いませんが、使用中に消えてしまうような表示は認められません。
2. 最重要:定格入力容量の単位は「VA」であり「W」ではない
銘板作成で最も多いミスが定格入力容量の単位の誤りです。
⚠️ 重要:単位の違い
✅ 正しい表示:定格入力容量 〇〇VA
❌ 間違いの表示:定格入力容量 〇〇W(ワット)
VAと似た単位にW(ワット)がありますが、意味が異なります。
- VA(ボルトアンペア):皮相電力。電圧×電流で計算される見かけ上の電力
- W(ワット):有効電力。実際に消費される電力
直流電源装置ではVAが正しい単位です。中国メーカーから受け取る仕様書や銘板データにWで記載されているケースが多いため、必ず確認・修正が必要です。
3. 各記載事項の表示例
実際の銘板でよく使われる表示形式を示します。
表示例(一般的な家電用充電アダプターの場合)
| 項目 | 表示例 | 注意点 |
|---|---|---|
| 定格電圧 | AC100-240V | 入力電圧範囲を記載 |
| 定格入力容量 | 〇〇VA | 単位は必ずVA |
| 定格周波数 | 50/60Hz | 50Hz・60Hz両対応の場合 |
| 定格出力電圧 | DC5V | DCと明記する |
| 定格2次電流 | 2A | 出力電流値を記載 |
4. PSEマーク・届出事業者名の表示
記載事項に加えて、以下も銘板に表示が必要です。
- ◈PSEマーク(直流電源装置は特定電気用品)
- 届出事業者名(自社名または略称・登録商標)
PSEマークと届出事業者名は近くに並べて表示するのが一般的です。
5. PSE取得済み製品を購入する場合の注意点
自社で試験・届出を行わず、PSE取得済みの直流電源装置を購入して使用する場合にも、銘板の確認が必要です。
要求項目以外の表示がある場合
PSE取得済みの既製品には、法律で要求されている記載事項以外に、防水性能・耐熱性能などの追加表示がされているケースがあります。
このような追加表示がある場合、その性能を裏付けるテストレポートを入手し、銘板の表示内容と整合性を確認することが重要です。
なぜなら:
- 「防水性能○○」と表示されているにもかかわらず、実際には試験を実施していない可能性がある
- 万が一製品事故が発生した場合、銘板の表示内容に基づいて責任を問われることがある
- Amazonなどで書類提出を求められた際に、表示内容の根拠を示す必要が生じることがある
⚠️ PSE取得済み製品を購入する際のチェックリスト
- PSE必須記載事項(①〜⑤)がすべて正しく表示されているか
- 定格入力容量の単位がVAになっているか(Wになっていないか)
- PSEマークと届出事業者名が表示されているか
- 追加表示(防水・耐熱など)がある場合は、対応するテストレポートを入手する
- テストレポートの内容と銘板の表示が整合しているか確認する
6. 銘板データの作成・確認の流れ
実務上の銘板作成・確認の流れは以下のとおりです。
銘板確認フロー
- 製品仕様書から必要な数値を確認する
- 定格入力容量の単位がWになっていればVAに修正する
- 附表第六の必須記載事項①〜⑤がすべて揃っているか確認する
- 追加表示がある場合はテストレポートを入手する
- 銘板データを試験機関・メーカーに提出して確認を受ける
- 最終確認後、製品に表示する
7. よくある質問
銘板のサイズに規定はある?
→ 法律上のサイズ規定はありませんが、「見やすい箇所に容易に消えない方法で」という要件を満たす必要があります。文字が小さすぎて読めない場合は要件を満たさないと判断される可能性があります。
日本語表示が必要?英語でもよい?
→ 法律上は日本語表示の義務はありませんが、一般消費者向け製品では日本語表示が推奨されます。試験機関に確認することをおすすめします。
銘板はシールでもよい?
→ 容易に消えない方法であれば、シール・印刷・刻印のいずれでも問題ありません。ただし、剥がれやすいシールや消えやすいインクは避けてください。
定格入力容量の数値はどこで確認する?
→ 製品の仕様書・テストレポートに記載されています。仕様書に記載がない場合は試験機関または製造メーカーに確認してください。
まとめ
- 直流電源装置の銘板必須記載事項は附表第六に定められた8項目
- 一般的な家電用充電アダプターでは①〜⑤の5項目が基本
- 定格入力容量の単位は「VA」であり「W」ではない
- 中国メーカーの仕様書・銘板データはWで記載されていることが多いため要確認
- PSEマークと届出事業者名も銘板に表示が必要
- PSE取得済み製品を購入する場合でも銘板内容の確認は必須
- 追加表示(防水・耐熱など)がある場合はテストレポートとの整合性を確認する
📖 あわせて読みたい


