中国輸入でPSEが必要な製品を仕入れる前に 確認すべき5つのこと

PSE入門

中国から電気製品を輸入・販売する場合、PSE対応は避けて通れません。

しかし「仕入れてからPSEの手続きを考えよう」という進め方は危険です。仕入れた後でPSE対応の問題が発覚すると、販売できないまま在庫を抱えるリスクがあります。

今回は、15年以上のPSE実務経験をもとに、仕入れ前に必ず確認すべき5つのポイントを解説します。

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確認①:電気用品名の確認(PSE対象かどうか)

まず確認すべきは、仕入れ予定の製品がPSE対象かどうかです。

電気用品安全法では、対象となる電気用品が「電気用品名」として457品目指定されています。製品が対象かどうかは、製品名ではなく電気用品名で判断します。

例えば「ノンフライヤー」という製品名では検索しても出てきませんが、電気用品名では「電気天火」に該当します。製品の見た目や一般名称だけで判断すると、誤りが生じることがあります。

確認方法

  • 経済産業省の電気用品安全法のページで電気用品名一覧を確認する
  • 不明な場合は管轄の経済産業局に問い合わせる
  • 試験機関に相談する(ただし最終判断はMETI)

⚠️ 消費電力の上限規定に注意

一部の電気用品には消費電力の上限規定があります。例えばフードミキサーは「500W以下」がPSE対象であり、501W以上はPSE対象外になります。仕様書で消費電力を必ず確認してください。

確認②:特定電気用品か非特定電気用品かの判断

PSE対象と確認できたら、次に特定電気用品(◈PSEマーク)か非特定電気用品(○PSEマーク)かを確認します。

この判断が重要な理由は、必要な手続きと費用が大きく異なるからです。

項目 特定電気用品(◈) 非特定電気用品(○)
検査方法 第三者機関による検査が必須 自主検査でOK
適合同等証明書 必要 不要
費用・手間 多い 比較的少ない
代表的な製品 直流電源装置・電気温水器など 電気掃除機・電気ストーブなど

特定電気用品は規制が厳しく、第三者機関による適合性検査と適合同等証明書の取得が義務付けられています。仕入れ前にこの区分を把握しておかないと、想定外の費用・期間が発生します。

確認③:別表の選択(第八・第十 vs 第十二)

PSE試験を実施する際に、どの別表(試験規格)を使用するかを事前に検討しておくことが重要です。

選択肢は主に2つです。

別表 基準 中国製品との相性
別表第八・第十 国内基準 不適合が出やすい傾向
別表第十二 国際規格(IECベース) 適合しやすい傾向

中国製品は国際規格(IEC)ベースで設計されているケースが多いため、別表第十二を第一候補として検討することをおすすめします。別表第八・第十で不適合が発生すると、設計変更・部品変更・再試験が必要になり、費用と時間が大幅に増加します。

また、別表第十二を選択した場合、中国の試験機関で試験する方が日本より費用を抑えられる傾向があります。この点も仕入れ前のコスト計算に含めておくとよいでしょう。

確認④:試験費用と納期の見積もり

仕入れ前に試験費用と納期を概算で把握しておくことは、ビジネス計画を立てる上で非常に重要です。

費用の目安

  • シンプルな製品・単一規格:数十万円〜
  • 複合機能を持つ製品・複数規格:数十万〜数百万円
  • 不適合が発生して再試験が必要な場合:百万円を超えることも

納期の目安

  • 標準的なケース:1〜2ヶ月
  • 複合規格・複雑な製品:2〜3ヶ月以上
  • 不適合が発生した場合:さらに1〜2ヶ月追加

仕入れ前に試験機関に問い合わせて概算見積もりを取ることをおすすめします。見積もりは無料で対応してくれる試験機関が多いです。

また、PSE対応の費用と期間を考慮した上で、製品の販売価格・利益率が成立するかどうかを仕入れ前に確認することが重要です。試験費用が高すぎて採算が取れないと判明するのは、仕入れ後では手遅れです。

⚠️ 販売開始の3〜6ヶ月前には試験を開始する

PSE対応には予想以上に時間がかかることが多いです。販売開始予定日から逆算して、余裕を持ったスケジュールを組んでください。

確認⑤:適合同等証明書の有無(特定電気用品の場合)

仕入れ予定の製品が特定電気用品(◈PSEマーク)の場合、適合同等証明書が取得済みかどうかを確認することが重要です。

PSE取得済み製品を購入する場合

製造工場がすでにPSEを取得している場合、適合同等証明書が発行されています。この場合は自社で試験を実施する必要がなく、費用と時間を大幅に節約できます。

ただし以下の点を必ず確認してください:

  • 適合同等証明書の副本(紙の原本)を入手できるか:スキャンPDFは不可
  • 有効期限が切れていないか:期限切れでは輸入・販売できない
  • 型式区分が自社製品の用途に合っているか
  • 表紙と本文を突き合わせて真偽確認ができるか

自社でPSEを取得する場合

工場がまだPSEを取得していない場合は、自社で試験・届出を進める必要があります。この場合は確認④の費用・納期の計画が必要です。

なお、特定電気用品の適合同等証明書の副本は紙の原本が必要であり、発行には数万円の費用がかかります。取得のスケジュールに含めておいてください。

まとめ:仕入れ前チェックリスト

✅ 仕入れ前に確認すべき5つのこと

  1. 電気用品名の確認:PSE対象かどうか・消費電力の上限規定はないか
  2. 特定か非特定かの判断:必要な手続きと費用を把握する
  3. 別表の選択:中国製品は別表第十二を第一候補に
  4. 試験費用と納期の見積もり:販売計画に組み込む・3〜6ヶ月前に試験開始
  5. 適合同等証明書の有無確認(特定電気用品の場合):副本の紙原本・有効期限・型式区分を確認

この5つを仕入れ前に確認することで、「仕入れたのに販売できない」「想定外のコストが発生した」といったトラブルを未然に防ぐことができます。

PSE対応は後から対処するより、仕入れ前に計画を立てる方が圧倒的にコストと時間を節約できます。迷った場合はお気軽にご相談ください。

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