PSE対応を始めようとする輸入事業者から「何から手をつければよいかわからない」という声をよく聞きます。
PSE対応には複数の手続きがあり、順番を間違えると手戻りが発生します。また「届出をすれば終わり」という誤解も多く、届出後の継続義務を知らないまま進めてしまうケースも少なくありません。
今回は、PSE対応の全体像を工程順に整理し、各工程で必要なことと注意点を解説します。
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PSE対応の全体フロー
- STEP1:電気用品名の確認(PSE対象かどうか)
- STEP2:特定電気用品か非特定電気用品かの判断
- STEP3:別表の選択(試験規格の決定)
- STEP4:試験機関への依頼・試験の実施
- STEP5:適合同等証明書の取得(特定電気用品のみ)
- STEP6:銘板・ラベルの作成
- STEP7:事業届出の提出
- STEP8:自主検査の実施・記録の取得(継続)
- STEP9:書類の保存・管理・変更届出(継続)
STEP1〜7は初回の手続きです。STEP8・9は販売を続ける限り継続的に必要な義務です。以下で各STEPを詳しく解説します。
STEP1:電気用品名の確認
最初に確認すべきは、仕入れ予定の製品がPSE対象かどうかです。
PSEの対象は製品名ではなく「電気用品名」で判断します。製品名と電気用品名が一致しないケースが多く、最初の判断でつまずく方が多いです。例えば「ノンフライヤー」は電気用品名では「電気天火」に該当します。
判断に迷う場合は管轄の経済産業局に問い合わせてください。試験機関でも教えてもらえますが、法律上の最終判断はMETIが行います。
また一部の電気用品には消費電力の上限規定があります。例えばフードミキサーは500W以下のみPSE対象です。仕様書で消費電力を必ず確認してください。
STEP2:特定電気用品か非特定電気用品かの判断
PSE対象と確認できたら、次に特定電気用品(◈)か非特定電気用品(○)かを判断します。この判断によって必要な手続きと費用が大きく変わります。
| 項目 | 特定電気用品(◈) | 非特定電気用品(○) |
|---|---|---|
| 検査方法 | 第三者機関による検査が必須 | 自主検査でOK |
| 証明書 | 適合同等証明書が必要 | 不要 |
| 費用・手間 | 多い | 比較的少ない |
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STEP3:別表の選択(試験規格の決定)
試験に使用する別表(試験規格)を選択します。主な選択肢は別表第八・第十(国内基準)と別表第十二(国際規格IECベース)です。
中国製品の場合は別表第十二を第一候補として検討することをおすすめします。中国製品は国際規格ベースで設計されているケースが多く、別表第八・第十では不適合項目が出やすい傾向があります。
試験規格は試験機関から提示されることもありますが、本来はこちら側から提示して「この規格で問題ないか」を確認するのが正しい進め方です。判断に迷う場合はMETIまたはJETの事前試験相談サービスを活用してください。
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STEP4:試験機関への依頼・試験の実施
試験機関に依頼して試験を実施します。
試験機関選びのポイント
- 費用が高い試験機関は納期を守る傾向がある・安い試験機関は納期リスクがある
- 推奨する試験機関:JET・JQA・UL
- 中国工場での試験は日本より費用を抑えられる傾向がある
- 試験機関との調整は工場に依頼する方が効率的
- テストレポートは必ず発行する
費用・納期の目安
- 費用:数十万円〜百万円超(製品・規格による)
- 納期:1〜2ヶ月(不適合発生時はさらに追加)
- 販売開始の3〜6ヶ月前には試験を開始する
STEP5:適合同等証明書の取得(特定電気用品のみ)
特定電気用品(◈PSEマーク)の場合、試験機関から適合同等証明書を取得します。
適合同等証明書の注意点
- 副本は紙の原本が必要:スキャンPDFは不可
- 表紙と本文を突き合わせて真偽を確認する
- 有効期限を管理する・半年前に更新依頼を開始する
- 副本の発行には数万円の費用がかかる
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STEP6:銘板・ラベルの作成
製品に表示するPSE銘板を作成します。法律で定められた必須記載事項を正しく表示する必要があります。
銘板作成の注意点
- 必須記載事項が漏れていないか確認する
- 定格入力容量の単位はVA(Wは不可)
- PSEマークと届出事業者名を近接して表示する
- 中国メーカーから受け取った銘板データは必ず自社で確認する
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STEP7:事業届出の提出
輸入を開始した日から30日以内に保安ネットから事業届出を提出します。
届出の注意点
- 保安ネットの利用にはgBizIDプライムの取得が必要(約1週間)
- 受理完了画面はその場でPDF化して保存する
- このPDFがAmazon出品時の提出書類になる
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STEP8:自主検査の実施・記録の取得(継続)
販売を続ける限り、製品の自主検査を実施し記録を保存する義務が継続します。
自主検査のポイント
- 全数検査が原則
- 製造工場が実施・記録を作成する
- 生産が終わった都度、工場から入手する
- 工場印があることが望ましい
- 保存期間は3年間
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STEP9:書類の保存・管理・変更届出(継続)
書類を適切に保存・管理し、変更が生じた都度変更届出を提出します。
変更届出が必要なケース
- 住所・代表者名などの事業者情報が変わった場合
- 型式区分が変わった場合
- 製造工場が変わった場合
保存が必要な主な書類
- 自主検査記録(3年間)
- 適合同等証明書の副本(特定電気用品・紙の原本)
- テストレポート
- 保安ネット受理完了画面PDF
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まとめ:PSE対応フローチェックリスト
✅ PSE対応フローチェックリスト
- □ STEP1:電気用品名の確認・PSE対象かどうか判断
- □ STEP2:特定電気用品か非特定電気用品かの判断
- □ STEP3:別表の選択(中国製品は別表第十二を第一候補に)
- □ STEP4:試験機関への依頼・試験の実施・テストレポートの取得
- □ STEP5:適合同等証明書の取得(特定電気用品のみ・紙の原本)
- □ STEP6:銘板の作成(必須記載事項・VAの単位確認)
- □ STEP7:保安ネットで事業届出(30日以内・受理完了画面をPDF保存)
- □ STEP8:自主検査記録の取得(生産都度・工場印あり・3年保存)
- □ STEP9:書類管理・変更があれば変更届出
PSE対応は一度やれば終わりではなく、販売を続ける限り継続的な義務があります。この全体像を把握したうえで計画的に進めることが、トラブルを防ぐ最善の方法です。
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